英文CV(レジュメ)の書き方:シンガポール・マレーシアの採用担当者に届く1〜2ページ
この記事の結論
シンガポール・マレーシアの採用では、写真・生年月日・婚姻状況を載せないA4で1〜2ページの英文CVが標準です。日本式の履歴書・職務経歴書とは構成も慣行も異なり、「実績を数字で書く」「語学力はJLPT等の級で明記する」「新しい職歴から逆順に書く」が基本ルールです。(2026年7月時点)
日本式履歴書との違い(早見表)
| 項目 | 日本式(履歴書・職務経歴書) | シンガポール・マレーシアの英文CV |
|---|---|---|
| 書式 | JIS規格など定型フォーマット | 自由書式(1〜2ページが標準) |
| 写真 | 貼付が慣行 | 載せないのが標準 |
| 生年月日・年齢 | 記載欄あり | 書かない |
| 婚姻状況・家族構成 | 記載することがある | 書かない |
| 職歴の順序 | 古い順が多い | 新しい順(逆時系列) |
| 自己PR | 志望動機書・面接で補う | 冒頭のSummary 2〜3行で要約 |
| 実績の書き方 | 職務内容の記述が中心 | 数字・成果で書く(例: 対応件数、改善率) |
| 語学力 | 「ビジネスレベル」等の表現 | 資格・級で客観化(JLPT N1、IELTS等) |
写真・年齢・婚姻状況を書かないのは手抜きではなく、シンガポールでは公正雇用実践に関する三者間ガイドライン(TGFEP)により、応募書類で年齢・婚姻状況・写真など職務に関係のない個人属性を求めない実務が定着しているためです(出典: TAFEP, 2026年7月時点)。マレーシアでも外資・大手を中心に同様の書式が標準です。
基本構成テンプレート(上から順に)
- ヘッダー: 氏名(パスポート表記のローマ字)、居住都市・国、電話(国番号付き)、メール、LinkedIn。住所の番地までは不要です。
- 就労資格の一文(推奨): 採用側が最初に知りたい情報です。例:
- 現地就労権がある場合 → *"Singapore Citizen / Malaysian — no work pass required."*
- 就労パスが必要な場合 → *"Currently on Employment Pass; open to sponsorship."* のようにパス種別・スポンサー要否で書きます(国籍を売り込み文句にする必要はありません)。
- Summary(2〜3行): 職種×年数×言語の組み合わせを要約。例: *"Customer success specialist with 4 years supporting Japanese-language accounts (JLPT N1); fluent English and Mandarin."*
- Work Experience(逆時系列): 会社名・役職・在籍期間+実績3〜5行。動詞から始め、数字を入れます(*"Handled 30+ Japanese-language escalations weekly; cut resolution time 20%"*)。
- Skills & Languages: 言語は級・レベルを明記 — *Japanese (JLPT N1 / business), English (native), Malay (native)*。JLPTの詳しい書き方は 履歴書・CVへのJLPT(日本語能力試験)の書き方 へ。
- Education: 学位・機関名・卒業年。成績・部活動は新卒以外は不要。
- (任意)Certifications / Tools: 業務関連の資格やツール(CRM、CATツール等)。
よくある減点ポイント(日本式の癖)
- 写真・生年月日・「性別: 女/男」を載せてしまう — 即座に「現地慣行を知らない」印象になります。
- 職務内容の羅列で実績ゼロ — "Responsible for customer support" ではなく "Resolved 400+ tickets/month at 95% CSAT" のように。
- 3ページ超 — 経験15年でも2ページに収めます。採用担当者の一次スクリーニングは数十秒です。
- 語学力を "Business level" とだけ書く — 客観指標(JLPT級、使用実績)を添えないと評価されません。
- Wordの複雑な装飾・表組み — ATS(応募管理システム)が読み取れないことがあります。1カラム・標準フォント・PDF保存が安全です。
- 履歴書の直訳 — 「一身上の都合により退職」のような日本式定型文はそのまま訳さず、退職理由自体を書かないのが標準です。
日本語を強みにする書き方
日本語対応スキルはこの地域で15〜25%の給与プレミアムにつながると報告される差別化要素です(出典: Reeracoenシンガポール成約データ, 2025年)。埋もれさせないために:
- Summaryの1行目に言語の組み合わせを入れる(JLPT級+英語レベル)。
- 実績にも言語を織り込む — *"Served as JP–EN bridge between Tokyo HQ and regional team"*。
- 応募先が日系企業の場合も、提出するCVは英文が基本です。日本式の履歴書・職務経歴書が別途求められるケースとの使い分けは 履歴書 vs 英文CV:どちらをいつ使う?(職務経歴書も解説) を参照してください。
提出前チェックリスト
- [ ] 1〜2ページに収まっている
- [ ] 写真・生年月日・婚姻状況・国籍欄がない(就労資格は一文で明記)
- [ ] 各職歴に数字入りの実績が最低1つある
- [ ] 言語欄にJLPT級(または相当の根拠)を明記した
- [ ] 1カラム・標準フォント・PDFで保存した
- [ ] メールアドレス・LinkedInが最新
よくあるご質問
英文CVに写真は必要ですか?
不要です。シンガポール・マレーシアでは写真を載せないのが標準で、公正採用の観点から求めない企業が大半です。年齢・婚姻状況も同様に書きません。(出典: TAFEP公正雇用実践に関する三者間ガイドライン, 2026年7月時点)
何ページにまとめるべきですか?
1〜2ページです。経験が長い場合も直近10〜15年に絞り、それ以前は1行に圧縮します。
JLPTはどこに書けばいいですか?
Skills & Languages欄に級を明記し、Summaryの1行目にも言語の組み合わせとして入れるのが効果的です。詳しくは jlpt-on-cv をご覧ください。
日系企業に応募する場合も英文CVですか?
シンガポール・マレーシアの現地法人であれば英文CVが基本です。日本式の履歴書・職務経歴書を追加で求められた場合のみ用意します(rirekisho-vs-english-cv)。
就労パスが必要な場合、CVにどう書けばいいですか?
隠さず、ヘッダー直下に現在のパス種別とスポンサー要否を一文で書きます。応募後に発覚するより、最初に明示する方が選考がスムーズです。パス種別の基礎は ep-vs-s-pass へ。